CHILDREN IN THE CHRISTMAS (メロ抜き)  作.編曲まるお




 歌モノのシングルCDに何故 「オリジナルカラオケ」 が入っているのか。

 今でこそ 「Instrumental Mix」 などとオシャレな言い方が主流になりましたがそれはその昔 「オリジナルカラオケ」 と呼ばれるモノでした。


 通常1曲目にそのシングルのメインの曲。

 2曲目に俗に言うカップリングと呼ばれる曲(両A面と呼ばれるどちらがメインでどちらがカップリングでと区別の無いシングルCDも存在します)。

 そして3曲目に1曲目に収録されている曲から歌手の歌を抜いたモノである 「オリジナルカラオケ」 。

 更に親切なCDには4曲目に2曲目(カップリング曲)の歌抜きである 「オリジナルカラオケ」 が収録されていたりします。


 「オリジナルカラオケ」 にはコーラス(ハモリ)が残っているモノと、

 コーラスすら入っていなくてホントに楽器の音だけの2種類が存在しますが、

 私は断然後者の楽器の音しか入っていないモノを好みます。

 ハモリの部分だけしっかり人間の声が入ってるとかウザいですし要らないですしそんなの私全然聴きたくないって言うかマジで邪魔。

 そんなの入れんで(残さんで)いいっちゅーねん。


 さて、

 その 「オリジナルカラオケ」 ですが一体どういった意図で収録されているモノなのでしょうか?


 まず一つ考えられるのはその名の通り 「カラオケ用」 として使うという事です。

 自宅で、車で、「オリジナルカラオケ」 をガンガン流してあなたの美声を空間目一杯に張り裂けそうなほどのクリスタルボイスを轟かせ自己満足の世界を、

 そしてストレス発散と健康の為に腹式呼吸の練習を兼ねてもう歌う歌う歌いまくり(日本語がちょっぴり変)。





 つーかそんな人いるんですか?




 お次に予想できるのがバンドやらDTMやら何やらおやりになっている人々が、

 その曲を耳コピーするのにメロディーの裏で一体何が起こっているのかをよりクリアに聴き取る事が出来るように配慮し、

 そういった 「曲を耳コピーしようとするマニアな方々」 に対しての親切で収録されているという事。





 ・・・・それはないだろ。




 それではこういうのはどうだろう。

 その昔(1991年)、

 小泉今日子の歌で 「なんてったってアイドル」 というとても素晴らしい曲がありました。

 この曲はとてもポップでノリノリでイケイケで実にカッコイイ曲でした。

 しかしながら歌い手さんが小泉今日子というアイドルなだけにあまり胸を張って聴ける代物ではありませんでした。

 早い話が 「小泉今日子の歌(CD)を聴いているという事がまるで小泉今日子のファンでもないのにファンだと思われるようで心外だ」 という事です。

 実際私は小泉今日子が歌っている 「歌」 自体はどうでもいいわけです。

 別に小泉今日子が歌っていなくて別の人間が歌っていても私的には何の問題も無いわけです。

 要するに、





 曲は大好きなんだけど歌手の歌声を何とかして欲しい。




 この様な時にですね、

 「オリジナルカラオケ」 がとても便利だという事です。

 幸いな事にこの曲はオケだけでも(つーかオケが)非常に素晴らしい出来でして、

 歌など入っていなくとも一つの曲として問題無く聴く事が出来ると思います(と思っているのは私だけかもしれません)。


 ただ一つ残念な事はイケイケのコーラスが抜けていないという事でしょうか。

 サビでしっかり 「なんてったってアーイドール」 とか言っちゃってますし、

 その他、曲の随所に要らんコーラスが入っています。

 しかし、

 小泉今日子が歌っている1曲目を車の窓全開でカーステの音量を爆音にする勇気はありませんが 「オリジナルカラオケ」 なら可能なのです。

 仮にも主旋律が抜けている為にパッと聴いた感じよほど有名な曲であるか、またはその曲を聴き込んでいる人でないと、





 何の曲か把握しにくい。




 ここがポイントなのです。

 そうです、

 「オリジナルカラオケ」 のサウンドは瞬時に何の曲かを把握する事が難しい、という事を利用しない手は無いわけです。

 つまり 「人前で聴くには恥ずかしい曲」 を人前で聴きたくなったら 「オリジナルカラオケ」 でオケだけ聴けばいいじゃないですか。

 更にこういったアイドルチックな曲の場合には、

 「俺は歌っているアイドルなんぞに興味はねぇ、興味は曲そのものにあるのだ」 というアピールの意味も込めてですね、

 もっと積極的に 「オリジナルカラオケ」 を活用すべきです、

 狂ったように 「オリジナルカラオケ」 を聴くべきです。

 「オリジナルカラオケ」 は永遠に不滅ですよ・・・・って、




 同じ様な事考えた事ある人居ませんか?




 さて、

 最後はもうどうしようもない話ですが、




 オケはとても高品質なのに対して歌が酷い曲 ってありますよね?



 え!? この歌唱力でお金取っていいんですか?みたいなCDありますよね。



 そういうCDに対しては 「オリジナルカラオケ」 が用意されていた場合迷わずそれのみを聴きましょう。

 私の場合は、もしそういう曲に出合ったら 「オリジナルカラオケ」 しか聴きません。

 メロディーが入ってなかろうがそれはもう 「オリジナルカラオケ」 が私の中でのその曲になってしまうわけで、

 「もうこれは最初から歌とか入っていないこういう曲」 という扱いになります。

 十分です。

 下手な歌とか入っていないほうがいいです。

 楽器の音だけ聴いていたほうが気持ちいいです。

 まあこれは元々 「歌」 にあまり興味の無い私ならではの意見かもしれませんね。



 で、

 ここまで長々と書いておきながらやっとこさ本題なわけですが、

 何故に 「CHILDREN IN THE CHRISTMAS」 のメロ抜きをわざわざ公開するのか?って話ですね。


 私は自分をメロディーメーカーだと思っていませんしどちらかと言うとオケ(伴奏)を作る方が得意だと思っていたりします。

 それにオケを作っている方が楽しいし逆にメロディーを作るってのをあまり楽しいと思わないし、

 大袈裟に言えばメロを考えるって作業は苦痛だしメロディーなんて無くてもいいというのがスタンスだったりするわけで、

 そういう意味で自分はオケが専門だと思っているのですが、

 それに加えて今回は慣れないサックスなんて楽器がメロを担当していたりしてなんとも嘘臭いサックスになってしまっているわけでして、

 つまり一言で言えば、





 メロディーにあまり自信が無ので別にメロディーは入ってなくてもいいや。




 みたいな感じで今回こういったメロ抜きを、

 歌モノで言うところの 「オリジナルカラオケ」 的な物を同時に公開したわけです。

 ああ、

 やっと長々話してきた 「オリジナルカラオケ」 に対する持論の話と繋がりましたんでもう寝ます。





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